親知らずは問題を抱えがち!?
親知らずが生えてきて痛い、親知らずがどのような状態になっているか知りたい、などのお悩みを持っている方はいらっしゃいませんか。
第二大臼歯までの28本の歯列は、小学校6年生頃に完成します。
親知らずはその後に生えてくる歯です。
20歳過ぎの、親も知らないころに生えてくるということで、親知らずと名付けられました。
この親知らずは、人類の顎の変化に伴い、現代ではスペースがない部分に生えてくることが多いです。
そのため、曲がって生えている、時には生えてくることができず顎の骨に潜ったままになる、などのケースもあります。
問題のない親知らずもありますが、多くのケースで問題を抱えがちなのが親知らずの特徴です。
場合によっては他の歯や、歯列全体に影響があるため注意が必要です。
こちらのページでは、親知らずの内容についてご紹介しています。
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目次
こんなお悩みありませんか?
- 親知らず周辺が痛む
- 親知らず周辺が腫れる
- 親知らずの状態を知りたい
- 抜かないとどうなるのか知りたい
- 親知らずが生えてこない
- 親知らずのレントゲンを撮りたい
親知らずの特徴・原因
親知らずが問題を抱えてしまう原因として、生えてくるスペースが足りないこと、歯ブラシが届きにくいことなどがあげられます。
親知らずの生え方は人それぞれですが、生え方の特徴で大まかなタイプ分けができます。
それぞれの状態によって、抱えるリスクも変わります。
親知らずのタイプ別の特徴
●きれいに生えている親知らず
他の臼歯と同じように、問題なく真っすぐ生えている親知らずです。
顎にスペースがある方は、このようなきれいな親知らずが生えてくることもあります。
問題なくそのまま使い続けることができますが、一番奥の歯ブラシの届きにくい位置にあることに変わりはないため、清掃には注意が必要です。
またこのようにきれいに生えている親知らずを丁寧に使い続けると、小臼歯などを喪失してしまった時に移植することもできます。
●半分埋まっている親知らず
歯が完全に萌出しきっておらず、半分埋まっている状態の親知らずを半埋伏歯と呼びます。
半埋伏歯は中途半端に傾いているものが多く、一部だけ歯肉がかぶっている、歯槽骨がかぶっているなどのケースがあります。
完全に萌出しない、歯肉と歯の間に汚れがたまりやすいのが、半埋伏歯の特徴です。
ここから炎症が起こってしまうと、智歯周囲炎という、親知らず周囲の強い炎症が起こってしまう可能性があります。
生えかけの親知らずもこのような状態になることがあります。
また斜めに伸びると前の歯を押してしまい、場合によっては他の歯に悪影響を及ぼすことがあります。
●全て埋まっている親知らず
歯が完全に埋まっている親知らずのなかでも問題があるものとないものに分けられます。
全て埋まっていて全く気付かず、痛みや腫れなどを一切引き起こさないような親知らずは、たとえ埋伏歯であっても特に処置を必要としません。
定期検診の際に、何らかの変化がないか経過観察をするのみとなります。
・水平埋伏歯
水平埋伏歯とは文字通り歯が水平になっているものです。
この状態で歯が伸びると、前の第二大臼歯の根っこを強く押すことになります。
そこで炎症が起こっていても、親知らずが見えていないため、何が起こっているのか分からないという患者様もいらっしゃいます。
とても問題を起こしやすい状態の親知らずといえます。
・逆性埋伏歯
逆性埋伏歯とは、口腔内に向かって伸びず、反対の骨の中に対して伸びていく歯のことをいいます。
前歯でも起こりますが、時に親知らずでも起こることがあります。
親知らずは下歯槽管という、血管や神経が通った太い管に近い場所にあるため、反対向きに伸びてしまうとこれらを傷つけてしまうリスクがあります。
親知らずの放置によって
みられる症状
●炎症を起こす
抜いた方が良い親知らずを放置すると、周囲に炎症が起こることがあります。
特に半埋伏歯などの、歯肉が半分かぶっているような親知らずは、歯と歯肉の間にプラークや食物残渣がたまり、炎症を起こします。
また、生えかけの親知らずも炎症を起こしやすく、発熱や倦怠感などの全身症状をともなうこともあります。
これを智歯周囲炎と呼びます。
●虫歯になる
親知らずは一番奥に生えている歯です。
もしきれいな状態で生えていても、歯ブラシが届きにくく虫歯になるリスクが高いです。
半埋伏歯などの磨きにくい歯は、更に虫歯のリスクが上がりやすくなります。
また、隙間から入り込んだ虫歯菌により、見えない奥の方や、前の歯との間に虫歯ができてしまうケースもあります。
●隣り合う歯に影響がある
親知らずが斜めや水平に生えていたりすると、伸びてきたときに隣り合う歯を押してしまうことがあります。
特に水平埋伏歯の場合は歯根部分を押すため、前の歯の歯根を吸収してしまうこともあります。
親知らずに押されることによって、前の歯の神経が興奮して痛みが出る、動揺するなどの症状となって現れます。
症状が重くなると、前の歯まで抜歯しなくてはなりません。
●口腔内全体の歯並びに悪影響がある
親知らずが直接押しているのは手前の第二大臼歯ですが、それよりも更に手前の歯にも力が伝わるため、歯列全体の歯並びに影響が及ぶケースもあります。
特に成人前に歯列矯正を終えた方は、20歳前後から上記のような親知らずの萌出に注意が必要です。
整えた歯列が親知らずによって乱れてしまうことがあります。
抜歯のメリット・デメリット
親知らずの中でも何らかのリスクの可能性があるものは抜歯が望まれます。
しかし、きれいに生えている親知らずや、何の生生もない完全埋伏歯は、抜歯しなくても良いケースがあります。
また、きれいに生えている親知らずは、残しておくと移植できるというメリットもあります。
メリット
●歯周病を防げる
親知らずを抜くことで、親知らず周辺の歯周病を防げます。
親知らずは一番奥にあることから、歯周病にかかりやすいというデメリットがあります。
特に半埋伏歯の場合、汚れを取り除くのが難しいため注意が必要です。
●虫歯を防げる
親知らずは一番奥にあるため、とても歯ブラシが当たりにくい状態といえます。
また歯肉かぶっている状態だと、そこに汚れがたまりやすいことから、虫歯のリスクも上がります。
親知らずをきちんと抜歯することで虫歯のリスクを下げることができます。
●繰り返す炎症を防げる
親知らずは1回炎症を起こしてしまうと何度も繰り返してしまうという特性があります。
また埋伏している状態で伸びてこようとすると、周りの骨や隣り合う歯を押すことから、そこに歯がある限り炎症は何度も起こることになります。
早めに抜歯することでこのような炎症を防ぐことができます。
●口腔内全体の歯列がきれいに保たれる
隣り合う歯を押してしまうことから、口腔内全体の歯並びに悪影響があるケースがあります。
早めに抜歯することで口腔内全体の歯列がきれいに保たれます。
デメリット
●大きな外科処置が必要となるケースも
半埋伏歯、完全埋伏歯は、周りの歯槽骨を削って中の親知らずを取り出す必要があります。
そのため大きな外科処置が必要となり、体に負担がかかるケースも考えられます。
それでも体に負担がかかるデメリットよりも、親知らずを放置しているデメリットの方がずっと大きいため、歯科医師に抜歯を進められたら抜歯治療を受けるましょう。
さわだデンタルクリニックの
親知らずに対するアプローチ
安心できる環境をご用意しています
さわだデンタルクリニックでは、できるだけ不安の少ない親知らずの抜歯に力を尽くしています。
麻酔が怖いという患者様もいらっしゃいますので、まずは麻酔の痛みを和らげるために表面麻酔をおこないます。
その後、浸潤麻酔という通常の麻酔をおこない、必要であれば顎半分全体が麻痺する伝達麻酔という麻酔をすることも可能です。
麻酔をきちんとおこなえていれば、親知らずの抜歯自体に痛みはないためご安心ください。
また全身疾患のある方、難抜歯の中でも特に難しい症例の場合は、口腔外科専門の歯科医院に依頼することもあります。
全身疾患のある方は事前にご相談ください。
他にも抜歯後も血が止まらないなど、ご不安なことがある場合はお気軽にお電話ください。
抜歯後の注意点とリスク
親知らずの抜歯窩は基本的に治癒を待つのみとなり、その部分の特別なメンテナンスが必要なわけではありません。
気をつけて磨くこと、清潔を保つこと、異常があれば歯科医院に相談することを守って治癒を持ちます。
抜歯後の注意をお守りください
●患部について
・患部を触らない
舌で触る、指で触るなどをしないようにしましょう。
細菌感染を起こす可能性があります。
・歯磨き
抜歯後1週間程度は患部を傷つけないように優しく磨きましょう。
柔らかめの歯ブラシを使用するとよいでしょう。
・うがいのし過ぎに注意
血が気になるからといって、何度もうがいをしないようにしましょう。
患部の治癒には血餅という抜歯後の穴を塞ぐ血液の塊が必要です。
うがいをしすぎると血餅が取れ、強い痛みをともなうドライソケットという状態になってしまう可能性があります。
ドライソケットになってしまった場合は、すぐに歯科医院を受診しましょう。
・患部を冷やしすぎない
抜歯した後24時間は、患部を冷やすことで炎症を抑えることができます。
ですが、氷などでキンキンに冷やしてしまうと血行を悪くし、治癒を遅らせる可能性があります。
冷やす際は温度に気を付けて、冷たいタオルや冷えピタなどを使用しましょう。
●過ごし方の注意点
・2〜3時間飲食を控える
麻酔が切れるまで2〜3時間飲食を控えましょう。
・血行の良くなることは控える
当日は熱いお風呂、激しい運動、飲酒を控えましょう。
・嗜好品を控える
喫煙は傷の治りを遅くしてしまいます。
そのため、術後2週間ほどは禁煙する方がよいでしょう。
●薬と予約
・抗生物質は飲みきる
患部の感染防ぐため、抗生物質は全て飲み切ってください。
痛み止めは痛いときだけで大丈夫です。
・消毒
翌日の消毒には必ずお越しください。
感染を起こしていないかのチェックも兼ねています。
親知らずに関するQ&A
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親知らずは必ず抜かなくてはいけませんか?
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きれいに生えている親知らずや、骨の中に埋まっていて何の問題もない親知らずは、抜く必要がありません。
しかし通常の歯よりもリスクを抱えがちになるため、経過観察は必要です。
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親知らずが痛む時もあるのですが、しばらくすると痛みが引きます。
放置していても大丈夫ですか? -
親知らずの炎症は繰り返し起こるケースが多いです。
痛みが引いたと思っても、前の歯を押していて根っこの吸収が進んでしまったり、歯並びが変わってしまったりするケースもあります。
痛みが1度だけでなく繰り返すようなら、必ず歯科医院を受診してください。
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親知らずを残しておいた方が良いといわれました。
抜かなくても大丈夫ですか? -
きれいに生えている親知らずは、他の歯を失ってしまった時に移植することができます。
虫歯になりやすいためメンテナンスが必要ですが、問題なくきれいに使っていれば残しておく方が、将来的にメリットがあります。
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親知らずの抜歯の後は仕事を休んだ方が良いですか?
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難抜歯という、骨の中に埋まっている親知らずでない限りは、お休みを検討しなくてもよいでしょう。
難抜歯の場合でもお仕事を休むことをおすすめするわけではありませんが、腫れなどが気になる場合はお休みを取る方もいらっしゃいます。
また、あざができることもありますが、2~3日程度で黄色くなり、次第に消失していきます。
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親知らずがあるかどうかはどのように知れば良いですか?
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歯科医院でレントゲンを取ると、骨の中に親知らずが潜っているかどうか分かります。
20歳を過ぎた頃、1度レントゲンをとってみるとよいでしょう。
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親知らずがない人もいますか?
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親知らずの歯胚(歯の元)自体がない方も多くいらっしゃいます。
また、4本揃っている方はまれで、2本か3本という方が多いといわれています。
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親知らずはどのように他の歯に影響を及ぼすのでしょうか?
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曲がって生えている場合は、親知らずが前の歯を押します。
特に水平埋伏歯といって、親知らずの頭が前の歯の根っこに当たっている場合は、根っこの吸収を起こさせてしまうこともあります。
また、親知らずに当たっている前の歯だけに影響があるわけでなく、お口の中全体の歯列を変えてしまうことも考えられます。
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抜歯後しばらくして、縫っていた糸が取れてしまいました。
どうすれば良いですか? -
多くの出血があるというようなケースを除き、心配することはありませんが、気になる場合は当院へご連絡ください。
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親知らずの抜歯後腫れた時は、なぜ氷を使ってはいけないのでしょうか?
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患部が氷で冷えすぎてしまうと血行が悪くなり、治癒を遅くしてしまう可能性があります。
冷たい水で絞ったタオルなどを当て、適度に冷やすようにするとよいでしょう。
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抜歯後しばらくしても血が滲むようです。
何か問題があるのでしょうか? -
勢いよく血が出るのでなければ、特に問題はないと考えてよいでしょう。
また、お口の中の唾液と混じると血が多く出ているように見えることもあります。
多くの血が出る、2日を過ぎても血が止まらないならの場合はご相談ください。
著者 Writer
- 澤田 光弘
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