ガミースマイルを
知っていますか？

ガミースマイルという言葉を聞いたことがありますか？
ガミースマイルとは、笑った時の唇の位置（リップライン）が通常より上にある状態のことをいいます。
ガミースマイルは、リップラインが高いことによって歯肉が露出し、口元のバランスが悪く見えてしまうことがあります。
個性的なチャームポイントともいえますが、ご本人は気にされているというケースも多く、審美的な観点からは少し外れていると考える方も少なくありません。

ガミースマイルは、歯肉の位置や筋肉の動きが複雑に関係しています。
そのため、根本的な治療をおこないたいと考えれば、外科処置の適用となることもあります。
また、最近ではボトックスなどの対処療法もおこなえるようになりました。
思いっきり笑えないとお悩みの方は、ぜひ一度歯科医院を受診してみてはどうでしょうか？

こちらのページでは、ガミースマイルの内容についてご紹介しています。

目次

こんなお悩みありませんか？

笑ったときに歯肉が露出する
前歯がよく乾く
大きな口を開けて笑えない
歯が短かくて悩んでいる
ボトックス治療に興味がある
外科処置を検討している

ガミースマイルの特徴・原因

ガミースマイルになる原因は、先天的なものと後天的なものに分けられます。
日本人はガミースマイルの方が多いともいわれており、20～30代の全体の約10%ほどに見られます。
特に女性は割合が多いため、決して珍しいお悩みではありませんが、コンプレックスとして感じている方も少なくないようです。

ガミースマイルの特徴

●笑った時に歯肉が見える

一般的に、笑ったときのリップラインは歯の1～2mm上程度にあります。
それより下あるリップラインをローリップライン、それより上にあるリップラインをハイリップラインと呼びます。
3ミリ以上リップラインが上にあるハイリップラインの笑顔を、ガミースマイルと呼びます。
歯並びが良くてもガミースマイルになることはあるため、思いっきり笑うことができないと考える方も多くいらっしゃいます。

●日本人の20～30代の10％程度

ガミースマイルは欧米人より日本人に多く、20～30代では10%程度の方にみられます。
日本人に上顎前突が多いためだとされています。
上顎前突は上の歯肉がめくれ上がるような状態になりやすく、結果的にガミースマイルとなりやすい傾向にあります。

●年齢を重ねるにしたがって割合が下がる

ガミースマイルには筋肉の力が強すぎることも影響しているケースがあり、筋肉の力が弱まってくる高齢者になると、ガミースマイルの割合は減るとされています。
年齢が上がると反対に、上の歯肉や前歯より下の前歯の露出が多くなります。

●過蓋咬合とも併発することがある

ガミースマイルは上顎前突だけでなく、過蓋咬合と併発することもあります。
日本人の口腔内は欧米人に比べてスペースが少なく、全体的に下顎の歯が後ろに下がって生えているケースがみられます。
これにより上顎の歯が下顎の歯にかぶさったような形になるため、上の歯肉が見えやすくガミースマイルとなることもあります。

ガミースマイルの原因

●先天的なもの

・唇を引き上げる力が強い

もともと唇を上に引き上げる筋肉の力が強いと、ガミースマイルになりやすいとされています。
笑った時上の唇を引き上げるける筋肉を上唇挙上筋といいますが、これが強いとガミースマイルになりやすいといえるでしょう。

・歯が短い

歯が短いと、その分歯肉に当たる部分が多くなり、笑ったときに歯肉が見えてしまうというケースもあります。
男性より女性の方が歯が短いケースが多いこともあり、ガミースマイルの割合は女性の方が多いとされています。

・上顎が大きい

下顎に比べて上顎が大きい場合、笑った時に唇がめくれ上がるようになり、ガミースマイルとなることがあります。

●後天的なもの

などにより上顎に何らかの不正咬合や不正歯列があると、ガミースマイルになる可能性があります。
また、あごに無理な力がかかっている場合にも、ガミースマイルになることがあります。

さわだデンタルクリニックの
ガミースマイルに対するアプローチ

対処療法と根本的な治療

●ボトックス注射

ボトックス注射とは、美容医療の分野でも使われている筋肉の働きを弱める注射です。
力が入りすぎてしわができている部分などに注射し、改善を図るなどのために使われています。

ボトックスは、近年歯科医療にも取り入れられるようになってきました。
原因が上唇挙上筋によるものである場合には、筋肉の働きを弱めるボトックス注射が有効です。
しかし、ボトックス注射の効果は数か月で元に戻ってしまうため、定期的な使用が必要となります。

●歯肉整形

歯肉が大きくかぶっていて歯が短いような方は、歯肉を切開し、ラインを整えます。
歯の見える量が多くなると、歯肉が見える量が相対的に少なくなるため、ガミースマイルの解消につながります。

●口唇移動術

唇をめくったときに、歯と歯肉の境目から上唇が始まる部分までの距離が長い場合、ガミースマイルになる可能性があります。
そのため上唇部分を切開し、上唇までの距離を短くする治療法をおこなうことがあります。
歯の長さは問題がないのに、歯肉のスペースが広い場合に有効です。

●セラミック治療

セラミック治療は、歯肉整形と同時おこなわれることが多いです。
歯肉のラインを切開し整えた後、その上に元々のその方の歯の長さより長めのセラミックを装着し、歯肉の見える範囲を狭くします。

ガミースマイルに対する
セルフケア・予防

ガミースマイルの治療後のセルフケアは、おこなった処置によって異なります。
ガミースマイルの治療は主に対処療法であるボトックス注射と、外科処置、セラミック治療があります。
それぞれに治療後のセルフケアの注意点があります。

処置によって変わるセルフケア

●ボトックス注射後

処置後すぐ～1日の間は、薬剤を散らさないために熱いお風呂に入らないなどの注意点があります。
また、数日間赤みや腫れが出たり、表情が変化したりする可能性が考えられます。
ボトックス注射は数か月で効果が切れるため、同じ効果を得たい場合は定期的に打つ必要があります。

●外科処置後

ガミースマイルでおこなわれる外科処置は、上唇の移動と歯肉の整形です。
歯肉整形の場合は、電気メスを使うケースと通常のメスを使うケースがあります。
通常のメスを使っての歯肉整形と上唇の移動術は、しばらくは痛みが続く可能性があります。
見た目であざができたり、腫れが見られたりすることもあるため、通常の日常生活に戻るまでにしばらく時間が必要になることがあります。

●セラミック治療後

歯肉整形と同時にセラミック治療を受けた方は、通常のセラミックをセットした後と同じような注意が必要です。
かぶせものはどれでも、5年程度の寿命とされています。
しかし、日頃から清掃に気を付け、歯科医院でのメンテナンスをきちんとおこなうことにより、寿命が延びる場合があります。
長くセラミックのかぶせものを使えるように、しっかりお手入れをおこないましょう。