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矯正
治療前
治療後
ご相談内容 | 「前歯がガタガタで噛み合わせが悪いので、外科手術も視野に入れた矯正治療の相談がしたい」とご相談いただきました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、下顎の奥歯が上顎の奥歯よりも前方に位置し、噛み合わせは「アングル3級」に該当する、いわゆる受け口の状態です。 また、上下の前歯は正常な位置からずれたりねじれたりしてデコボコに生えており、重度の「叢生(そうせい)」も認められます。下の前歯も舌側に傾いて生えていて、左の上下犬歯は唇側に大きく突出していました。 さらに、上下の前歯は顔の中心に対して左側にずれています。 このままでは、顔が横にずれたように見えるなど見た目の問題に加え、しっかりと噛むことができなかったり正しい歯磨きが困難になったりするおそれがあるため、歯並びと噛み合わせを改善する治療が必要だと診断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | 叢生の程度が大きく、上下の前歯が顔の中央線に対して左側に大きくずれているため、上下左右の小臼歯4本を抜いて矯正する方法が一般的です。しかし小臼歯を4本抜く場合、以下のリスクが伴います。 ・下前歯が舌側に大きく傾斜しているため、下左右の小臼歯を2本抜くとこの傾斜がさらに大きくなり、笑ったときの見た目が悪くなるおそれがあります。また傾斜が大きくなることで、前歯の根が本来の位置からずれてしまうリスクもあります。 ・患者様のお顔を横から見ると、鼻先と顎先を結ぶ「Eライン」の内側に上下の唇が収まっており、現在の横顔は良好です。しかし上下左右の小臼歯を4本抜くと、口元が後退してほうれい線が深くなり、老けた印象を与えるおそれがあります。 噛み合わせがアングル3級である場合、通常は「骨切り手術」と呼ばれる外科手術をすすめられることが少なくありませんが、患者様がいくつかの歯科医院を回る中で、当院では外科手術を併用した矯正だけでなく、外科手術なしでの矯正を提案したところ、外科手術なしでの矯正治療を希望されました。 1:右の小臼歯(第1小臼歯)を上下1本ずつ、計2本抜き、左側にずれている前歯を右側に移動させて、顔の中央線に合わせる 2:左の親知らず(第3大臼歯)を上下1本ずつ、計2本抜き、歯を動かすためのスペースを確保する 3:歯の表面に固定した器具にワイヤーを通して歯を動かす「マルチブラケット装置」と、矯正治療用の小さなネジ「アンカースクリュー」を併用して奥歯を後方に移動させ、左上下の犬歯の叢生を改善する 右上下の小臼歯2本と左上下の親知らず2本を抜いたあと、マルチブラケット装置を取り付けてアンカースクリューを上下の顎に埋め込み、これを固定源にして歯を動かします。 アンカースクリューが骨にしっかりと固定されることで、効率的に歯を動かすことが可能です。 矯正治療後は、整えた歯並びの後戻りを防ぐための装置「リテーナー」を使用していただき、治療を終了しています。 |
治療期間の目安 | 矯正期間 1年10ヶ月 |
治療費総額の目安 | 約950,000円 (検査代や月々の調整料、リテーナー代等含む) |
この治療のリスクについて | ・外科処置後に腫れ、出血が続く場合があります ・外科処置後に痛みが長引く場合があります。必要に応じ痛み止めを併用します ・治療中、発音しにくい場合があります ・歯の移動に伴って、違和感や痛みを感じる場合があります ・冷たいものを飲んだときに歯がしみる「知覚過敏」の症状が出る場合があります ・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります |
担当歯科医師名 | 金田叔朗 |