歯垢 (プラーク )・歯石に
注意しましょう
プラークや歯石という言葉を聞いたことはある方が多いのではないでしょうか。
しかし、それが一体具体的にどのようなものなのか詳しくは知らない方もいらっしゃると思います。
プラークは細菌の塊で、どなたの口腔内にもつきます。
プラーク中には多くの細菌が含まれており、それらが虫歯や歯周病を引き起こします。
歯石はプラグが石灰化したものです。
歯石は1度ついてしまうとご自宅で取り除くのは難しく、歯科医院で除去する必要があります。
歯石へと石灰化するまで放置せずに、こまめに清掃することがとても大切になります。
このページでは歯石、プラークの内容についてご紹介しています。
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目次
こんなお悩みありませんか?
- プラークコントロールしたい
- 歯石が付いたのが気になる
- プラークと歯石の違いを知りたい
- 最近家族から口臭を指摘された
- きちんと汚れを落としきりたい
- 定期検診でクリーニングしたい
歯垢 (プラーク )・歯石とは?
プラークや歯石は、さまざまな口腔疾患を引き起こします。
どのようにすればプラークや歯石をつきにくくできるのでしょうか。
プラークや歯石がつく、詳しい原因と合わせて解説します。
歯垢 (プラーク )・歯石について
●歯垢 (プラーク )とは?
・細菌の塊
プラークは細菌の塊です。
プラーク1mgグラム中に1億個の細菌が住んでいます。
その中にはさまざまな細菌が含まれ、虫歯を起こす虫歯菌、歯周病を起こす歯周病菌がなどがあります。
また、細菌以外にも細菌の死骸や代謝物なども含まれています。
・1日程度で付着
プラークは食後すぐにつき始め、1か月程度経てばしっかりと付着します。
もちろん毎食後きちんと歯磨きをおこなうことは大切ですが、寝る前の歯磨きをよりしっかりおこなうことで、プラークの付着を防ぎやすくなります。
またプラークは放置すればするほど作用が強くなる特徴があります。
長く付着するプラークほど、歯を虫歯にする作用が強いともいわれています。
プラーク中の細菌がしっかりとスクラムを組んでしまうと、通常のブラッシングでは落としにくくなるため、日頃からのケアがとても重要です。
・付きやすい場所
全体的につきますが、唾液の作用が働きにくい場所、歯間、歯周ポケット内部などはより注意して磨く必要があります。
●歯石とは?
・2日ほどで石灰化を開始
歯石はプラークが石灰化したものです。
プラークを放置すると2日ほどで石灰化が開始します。
最初は柔らかい状態ですが、時間が経つにつれて固くなっていきます。
・2週間ほどで石灰化が完了
プラークは2週間ほどで石灰化が完了します。
完全に石灰化してしまうとブラッシングでは落とせません。
歯科医院の超音波スケーラーなどで落とす必要があります。
・歯石自体に病原性はない
歯石自体に生きた細菌は含まれていないため、歯石自体に病原性はありません。
しかし歯石がその場にあることで、歯肉に炎症が起こったり、プラークの足掛かりになってしまうことから、除去することが望ましいといえます。
・付きやすい場所
歯石は唾液中のミネラルとプラークが反応してできるため、唾液腺開口部という、唾液が出る部分に大変つきやすいという特徴があります。
好発部位は下の前歯の裏側、頬に接している上の奥歯のあたりなどです。
また、歯石は歯肉の上下で縁上歯石と縁下歯石の2種類に分けられ、特に歯肉縁下歯石は除去しにくいのが特徴です。
歯垢 (プラーク )・歯石の原因
歯に付着して除去されないプラークが石灰化することによって、歯石がつくられます。
排水溝を放置すればぬめりがつくのと同じで、お口の中も放置すればプラークが付着します。
その方の口腔内の状況によってつきやすいつきにくいはありますが、放置すれば誰のお口の中にもつくのがプラークです。
●磨き残し
プラークは自然と付着することから、毎日のブラッシングがとても重要になります。
1日放置するとプラークの付着は始まります。
食後にブラッシングをおこない、就寝前は特に念入りにブラッシングをしましょう。
●唾液の分泌量が少ない
唾液の分泌量は、加齢に伴い減少する傾向にあります。
お口の中の細菌を洗い流すために、唾液の自浄作用はとても重要です。
唾液は、リラックスしているときなど副交感神経が優位になっているときに多く分泌されます。
そのため、ポジティブな感情を自律神経に伝えることを意識するとよいでしょう。
歯垢(プラ―ク)・歯石を
放置するリスク
プラーク、歯石は虫歯や歯周病などさまざまな口腔内疾患の原因になります。
また日々しっかりブラッシングしているつもりでも、落としきれない ケースもあります。
磨いていても、結果的には放置したことと同じ状態になってしまうこともあるため、注意が必要です。
放置せずに取り除くことが大切
●虫歯の原因になる
プラーク、歯石を放置すると虫歯の原因になります。
虫歯の原因菌は、プラーク中のストレプトコックスミュータンスをはじめとする虫歯菌です。
これらの菌はプラークがその場にとどまっている時間が長くなるほど、酸を出す能力を強くするといわれています。
またバイオフィルムという、細菌同士がしっかりと結びついている状態になってしまうと、口腔内の免疫機能が届きにくくなり、かつブラッシングをしても落としにくいという状態になります。
●歯周病の原因になる
プラーク中に含まれる嫌気性菌が、歯周病の原因となります。
嫌気性菌とは空気がある環境を嫌う菌で、歯周ポケット内、奥深くへと進んでいきます。
これにより炎症が歯肉付近から歯周ポケット内部まで波及し、歯槽骨の吸収が起こります。
●見た目が良くない
プラークや歯石が付着していると見た目が良くないという問題もあります。
歯石は特に黄ばみとして認識されやすく、清潔感のない印象を与えてしまう可能性があります。
●口臭の原因になる
プラークや歯石を放置したままにすると、細菌や細菌の代謝物などにより、口臭が起こってしまうことがあります。
また歯周病が進むと、歯周病によっても口臭が強くなってしまうことがあります。
さわだデンタルクリニックの
歯垢(プラーク)・歯石
に対するアプローチ
●スケーリング
スケーリングのための器具、スケーラーには、超音波スケーラーと手動スケーラーがあります。
超音波スケーラーは歯肉縁上歯石の除去、手動スケーラは歯肉縁下歯石の除去をおこなうために使います。
取れにくいプラークなども一緒に洗い流すことができます。
●ルートプレーニング
ルートプレーニングとは、歯肉縁下歯石の除去をおこなった後の歯根面を、つるつるに仕上げる処置です。
歯面はざらざらであるほどプラークの再付着を招きます。
歯根の表面は歯冠の表面よりも柔らかいため、キュレットというスケーラーに似た器具で削り取るようにして、つるつるに仕上げることができます。
●PMTC
スケーリングをおこなった後の歯面には、細かい傷がついています。
表面を研磨することで傷を平坦にし、プラークの再付着を防ぎます。
またこのPMTCは、ペリクルやステインという、歯磨きでは落としにくいお口の中の汚れも落とすことができます。
歯垢(プラーク)・歯石の
予防法
プラーク、歯石に対するセルフケアや予防は、定期検診の受診と並行して行いましょう。
歯科医院のプロフェッショナルケアは患者様一人ひとりのセルフケアが行われている上に成り立ってるといっても過言ではありません。
歯科医院でのクリーニングの効果をしっかり得るためにも、ご自宅でのケアを丁寧に行いましょう。
セルフケアの重要性
●ブラッシング
ご自宅でのケアで何よりも一番大切なのはブラッシングです。
プラークや歯石除去のためには、特に歯周ポケット内をきれいにできる磨き方をする必要があります。
歯面に対して垂直に歯ブラシを当て、歯肉の方向45°に傾けましょう。
この状態で細かく動かすと歯周ポケット内を磨くことができます。
●歯間ブラシ、デンタルフロスの使用
ブラッシングのみで落とせる汚れは、口腔内の汚れの60%程度といわれています。
そのため清掃補助用具の使用が必要となります。
特に汚れが残りやすいのは歯間で、この部分は歯間ブラシやデンタルフロスを用いて清掃する必要があります。
歯間ブラシやデンタルフロスにもさまざまな種類がありますので、どれを使ったら良いか分からない方は、ぜひ一度ご相談ください。
●ワンタフトブラシのすすめ
ワンタフトブラシは、先端が三角錐の形をした小さな歯ブラシです。
歯面は平面でなく曲面をしています。
歯ブラシは平面のため、当てるだけだと磨けない場所が出てきてしまいます。
強く曲面になっている部分は、ワンタフトブラシの円錐形の部分を使用するととても磨きやすくなります。
歯のそれぞれの面に合わせた方向から丁寧に磨くことで、磨き残しがなくなります。
歯垢(プラーク)・歯石に
関するQ&A
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プラークがつきにくくするためにはどうすれば良いですか?
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まずは毎食後きちんと歯磨きをすることが大切です。
その他、唾液をよく出るようにする、歯科医院で定期的な検診クリーニングを受けるなどの方法もプラーク除去に有効です。
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歯石は自宅で落とせますか?
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歯石は一度石灰化してしまうとご自宅では落とせません。
石灰化しかけている時の柔らかい状態なら、歯ブラシで落とすことができます。
しかし、一度石灰化が終わった状態になると、歯面に強固に付着するため除去が難しくなります。
歯科医院のクリーニングで落としましょう。
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プラークとはどのようなものですか?
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プラークとは口腔内につく細菌の塊です。
排水溝のぬめりと同じようなものだといえます。
この中に含まれる虫歯菌や歯周病菌がそれぞれの疾患を起こします。
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定期検診はプラーク除去や歯石除去に有効ですか?
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定期検診でスケーリングやPMTCをおこなうことによって、クラークの除去や再付着の防止につながります。
また歯石はご自宅では落とすことができないため、歯科医院のスケーリングで落とす必要があります。
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歯間ブラシやデンタルフロスはどうして必要なのですか?
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歯ブラシだけだと歯間部分を磨くのは難しくなってしまいます。
そのため歯間部分には汚れやプラークがたまりやすいという特徴があります。
歯間ブラシやデンタルフロスをもちいて歯間の掃除を行いましょう。
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歯肉縁下歯石とは何ですか?
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歯肉縁下歯石とは、歯根付近につく歯石のことです。
歯周ポケット内部の血液で、プラークが石灰化したものです。
この歯肉縁下歯石はそこにあることで、歯根面への歯肉の付着の阻害をしたり、炎症を起こしたりする可能性があります。
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プラーク中の細菌にはどのようなものが含まれるのですか?
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虫歯菌や歯周病菌が含まれます。
歯周病菌は嫌気性菌といって、空気を嫌う特性があります。
この特性により歯周ポケット内部に深く進み、周囲に炎症を起こすことで歯槽骨の吸収を起こさせます。
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プラークや歯石をつきにくくするためには、どのような食生活を送ったら良いですか?
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たくさん噛めば噛むほど唾液が出るため、歯ごたえがある食事を摂ると良いでしょう。
キシリトールガムなどを噛むのもおすすめです。
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プラークや歯石の付着を防ぐためには、どれぐらいの間隔で歯科医院に通えば良いですか?
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当院では3か月に一度の定期検診をおすすめしています。
プラークや歯石だけでなく、どうしても日々蓄積してしまうステインなどの汚れも落とすことができます。
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プラークや歯石にうがい薬は有効ですか?
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うがい薬はあくまで補助的なものと考えると良いでしょう。
プラークや歯石の除去には何よりもブラッシング、清掃補助用具の使用が有効的です。
しっかりとブラッシングをし、清掃補助用具を使用した後で、後にうがい薬を使うと考えると良いでしょう。
著者 Writer
- 澤田 光弘
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